国と愛媛県は8、9両日、四国電力伊方原発(伊方町)での重大事故を想定した原子力総合防災訓練を原発の周辺地域で実施した。内閣官房や国の原子力規制委員会、県や県内20市町など約105機関の約1万4570人が参加。県広域避難計画に基づき、佐田岬半島にある伊方原発の西側の住民約70人が船で大分県へ避難する初めての訓練に取り組んだ。
 訓練は8日午前8時半、県内で震度6強の地震が発生し、重大な故障があった伊方3号機から放射性物質が放出されると想定。
 大分県への避難は伊方町三崎地域の住民が9日、海上自衛隊の支援艦と民間の国道九四フェリーで大分市の港に到着し、市内の避難所にバスで移動後、健康状態のチェックなどを受けた。中村時広知事も海自艦に乗船し、避難所で大分県の広瀬勝貞知事らと会談した。